大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和26年(う)27号 判決

原判決の挙示している各証拠をみるに、これらの証拠によれば各公訴事実について、被告人が盜難被害品を夫々所持し、且これを処分したことは明らかであるが、被告人は、これらの品は北秋田郡綴子村糠沢の畠山正一という者から貸した金のかたにとつたものであると弁解しているのであつて、その金も賭博の金であつて、不審の点もないではないが、原審が同村長に照会したところによると、同村には畠山正一なる者はいないが、これに名前の似た、畠山昭一、畠山惣一の二名が居り、また鷹巣地区警察署司法巡査田中耕造から同署長伊藤周吉に宛てた、捜査報告書によれば、綴子村には畠山正一(三十七、八年位)に類似した畠山惣一(当四十四年)が居り、賭博をなすという風評があると各記載されている(記録第一八四、第一八五丁参照)のであるから、被告人のいう畠山正一とは或は右の畠山惣一なるやも知れず原審は同人を取調べて初めて、被告人の弁解が偽わりであるかどうかを断定し得るにも拘らず、ことここに出でずたやすくその弁解を却け、その最終の所持者であるという理由のみを以て被告人の犯行であると認定したことは審理不尽、理由不備の違法のあること洵に所論のとおり、論旨理由あり原判決はこの点において破棄を免れない。

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